ようこそ~訪問介護の世界へ

訪問介護の仕事には変えがたい魅力がある

ハピネス(訪問介護事業所)介護福祉士 加藤由衣

介護福祉の業界へ!そのきっかけは大好きなおばあちゃん

私はもともと、おばあちゃん子でした。おばあちゃんのことが大好きで、小さい頃からよく遊びにいっておりました。高校生の時はコンビニでアルバイトをしていたのですが、地元のお年寄りがよく利用されていて、色々と話しかけてくれました。その方々とのお喋りは本当に楽しくて、高齢者に関わる仕事について、ちょっと気になりだしました。人の役に立ちたい、やりがいのあるお仕事がしたいという思いが募り、介護福祉士を養成する学校に進学しました。養成校で学んだ2年間は、おばあちゃんの家から通っていました。きっかけは、実家がマンションなので大好きな犬を飼えずにいた私に、「よかったら一緒に住んで、こっちで大好きなワンちゃんを飼えばいいじゃない」というおばあちゃんの提案でした。おばあちゃん自身も、孫と犬の世話を通じて、生きがいじゃないですけど、すごく楽しかったって言ってくれていました。

卒業と同時に介護福祉士の資格を取得して、特別養護老人ホームで4年間働きました。結婚と出産を経て、専業で子育てしながらなんだかんだ10年。子育てもちょっと落ち着いてきて、そろそろ復職という気持ちが出てきたときに、同級生のママ友から「子育て中の人もすごく働きやすい職場があるんだけど」と、今勤めている訪問介護事業所に誘っていただきました。

ゆっくりゆっくり、その方のペースで、信頼関係を築いていく

訪問介護は色々なお宅を訪問して、専門的な介護を行う仕事。私、初めて行く利用者さんのお宅にちゃんとたどり着けるかっていう、心配から始まって、やっぱり一対一の支援が基本ですので、もし訪問中に何かあったらどうしよう、自分だけで対処できるかなみたいな、もう不安しかありませんでした。しかし最初のお宅への訪問時には、サービス提供責任者の先輩職員が同行してくださり、指導を受けながら支援に入ることができて不安も軽減していきました。独り立ちして仕事に慣れるにつれて、お宅へ訪問することが本当に楽しくなって、訪問介護の仕事は、やりがいに変わっていきました。

私たちの訪問介護の特徴は、「身体介護」のニーズに応える、地域の数少ない事業所であること、入浴や排泄介助を中心としたサービスを提供しています。週1回だけの方から、複数のヘルパーが交代で毎日入る方など利用者の方の状態に応じて様々です。介護保険の利用が初めての方など、初回の訪問時は「何しに来たの」という困りごとが見えない方も結構多くて、まずそこから少しずつコミュニケーションを図りながら、慣れて頂けるよう心がけています。一人ひとりにあわせて、ゆっくりゆっくり、その方と歩調を合わせて、信頼関係を築いていくのです。

訪問介護は、基本一対一の支援です。利用者さんのペースにあわせて、ゆっくりと関係を作っていく事が出来る所が特徴です。その人らしく、毎日の生活を継続していくためには、必要なサービスを利用していただく必要がありますが、最初の訪問では公の支援を受けたくない、サービスは必要ないっておっしゃる方が多いです。最近は認知症の方で、さらにひとり暮らしの方が増えてきています。「私はしっかりしているから大丈夫」という方でもお風呂に全然入れていなかったり、薬が服用できていなかったり、家の中も散乱し生活水準が低下していることがあります。高齢者になると、何かしらの疾患を持っている方が多いので、日常の生活と健康を支えていくサービスをしっかりつなげていくことが必要です。

自分にあった働き方と学び方

現在、事業所の訪問介護員には、私の他にも子育て中のママさんが働いています。私が入職した当時の入所系の施設だと、朝出勤したら夕方まで帰れないっていうのが当たり前でしたが、訪問介護は1時間とかの区切りがあって、時間が空いたりすると、ちょっとの間に自宅に帰って家のことができたり、突発的な事が家庭で発生してしまっても、事業所から介護支援専門員(以下:ケアマネ)さんに連絡して、お客様に相談させて頂いて予定を少し変更して頂くなどの融通がききます。予定の時間になったら直接自宅から訪問して、そのまま直接帰ることもできますので、主婦にはすごく働きやすいと思います。子どもが小さいうちは、子育てメインで、その後は子どもの成長や家庭の状況に応じて、仕事の時間を増やしていくことも十分相談にのって頂けると思います。

また、私たちの事業所では、定期的な研修があります。その研修の実施方法が特徴的で、他の事業所の方々と一緒に集まって、看護師さんやデイサービスの事業所の方、ケアマネさんとか、他の職種との交流みたいなことも含めて行っています。研修の企画や講師は持ち回りで、私は「介護技術演習」をテーマとした研修を担当しました。参加者は勉強熱心な方が多く、そして皆さん真面目です。研修を通じて、顔がつながり、普段から連絡しあえる関係性が出来て、日常的な仕事の連携がしやすくなってきています。

寄り添い、話を聞くことを大切に

訪問介護のしごとは1対1で、時間内まるまる利用者の方と接することができるところが良い点だと思います。一人暮らしの方が多いので、普段は言葉を発することがない方も多く、そもそも家で一人だと不安を口にすること自体が出来ません。訪問時にしっかりと傾聴することによって、少しでも不安を軽くしていくことが必要で、とにかく話を聞いて、寄り添っていく必要性を感じています。私が大切にしているのは、否定をしない、ちょっと待ってとか、今忙しいからとかいうことは言わずにサービスを提供しながらでも、しっかりと聞くことでしょうか。あまり私からお話しすることはなくて、相手に話してもらい「そうだね、そうだねって」聴くこと、それが私たちに一番求められているように思います。

また、訪問時には、ちゃんと食事を取れているか。あんまり食べた形跡がなかったらどこか調子悪いのか観察します。あとは全身も確認するのですが、ちょっと痛いとか、あざがあるとか、認知症の方だと転んでしまったことも忘れてしまうことがあって、ケガを放置したことで骨折していたという事もあります。またトイレには間に合っているかどうか、トイレまで行けても失禁してしまっていたり、汚れたものを隠していたなど、誰でも恥ずかしいことは言いたくありませんよね。そういった、変化を誰が発見するか。私たち訪問介護員が多いのだろうと思います。すごくデリケートな部分で、人としての尊厳にかかわることであることを自覚しないといけません。

認知症のある方との心の交流

認知症が進んで、お薬の管理が難しくなっている一人暮らしの女性の方でした。私のこともすぐに忘れて、訪問日も不在で、近所の馴染みの店に行ってしまわれるような方でした。とにかくご本人のお話を聞いて「お薬ちゃんと飲めていますか?ちょっと心配なのですよ」とお伝えしてきましたが、ご本人からは、「自分は全部出来るし、大丈夫だから帰って」と言われて、具体的な支援までは中々入れませんでした。それでも毎回コミュニケーションを取りながら回数重ねることによって、名前とかはもちろん憶えていらっしゃらないですけど、「私」のことを徐々に認知してくれて、覚えてはいないけど、分かっているっていう不思議な関係性が生まれきて、「また来たの?」「じゃあ家に帰って薬飲もうかね」といった、信頼関係が築かれていくようなことがありました。最初はもう行くたびに誰?知らない人みたいな感じだったのですけど、訪問を重ねることによって安心して頂けて、受け入れて頂けたという実感があり、その時はものすごく嬉しかったですね。

認知症があっても、自分の思いを伝えることができるよう支援を重ねていく実践が、利用者の意思決定をささえていくことにつながる。専門職として大事にしたい点です。

訪問介護の仕事には代えがたい魅力があります

訪問介護では「ちょっと様子を見に来ましたよ」の挨拶から、その日の血圧を確認して、薬を飲めているか、ご飯を食べられているか、冷蔵庫の中で傷んでいる食材はないか一緒に確認して整理します。結構難しいのですけど、利用者さんのペースに合わせて、一緒にやります。実の娘さんだと結構入りづらい、逆に私たちみたいな外から来た人はなんか割り切ってじゃないですけど「そうだね」ってして理解してくださることもあります。訪問に行くとすごく喜んでくれる方が本当に多くて、「待っていたよ!」って言って頂けます。仕事をしに来ているのですけど、ちょっと座ってお茶でも・・・といった、雰囲気になる方もいたり、なんかもう家族じゃないですけどそんな風に思ってくださるような方もいます。玄関で待ってくれていたり、帰りも「またね」って外まで見送ってくれたり皆さん暖かい。実家から帰るみたいな、不思議な感覚になることもあります。次訪問した時には「ただいま」って言いたくなってしまうような。本当に訪問介護って不思議な仕事だなって思う時もあります。

訪問介護の仕事は、家庭の状況によって融通を利かせることができ、働きやすいというのが一番大きいのかなって思います。「介護」というと、きつくてすごく大変というイメージが昔は強かったかもしれませんが、私が関わっているヘルパーの仕事には充実感があり、毎日が楽しいです。身体介護では、入浴介護とか、おむつ交換など体位変換や移乗、移動など専門性が必要とされる場面もありますが、何をするにしても、助かったよ、美味しいよとか、さっぱりしたよとか高齢者の方の言葉と笑顔を見ると、大変さは吹き飛んでやりがいが沢山あります。訪問介護のサービスには家事援助もありますので、普段から家事をこなす主婦の方にすごく向いていて、経験を生かすことが出来ますよという事をお伝えしたいです。

わたしは、利用者の方がその人らしく、自宅で生活できるよう寄り添い、心身共に支えていけるようなヘルパーを目指しています。

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