毎回、毎秒、変化する正解のない仕事、だからこそ、おもしろい。

丸山富喜子さん
- 施設
- 特別養護老人ホーム 鵠生園
- 職務
- 高齢介護
- 経歴
- 平成26年度から勤務、4年目
専門学校の実習で鵠生園と出会い、そのまま入職
みんなからは「まるちゃん」と呼ばれています。
この仕事を選んだきっかけは?
はじめは、ぼんやりとですが、福祉の仕事につきたいと思い、高校で福祉教養コースを選びました。
そこで高齢者施設や障がい者施設など、いろんな施設で実習してきましたが、高齢者の方々に寄り添い、接することが一番向いているかなと思い、この道を選びました。
現在の仕事は?
高齢者の生活全般のサポートです。
仕事をしていく上で、特に重要だと思うのは?
会話をはじめとしたコミュニケーションです。すべての基本には声かけがあり、会話をすることで、その日、その時の様子を見ながらお手伝いしています。
話しかけても必ず答えが返ってくるとは限らない方たちですが、非言語のコミュニケーションでも相手の気持ちを汲み取るようにしています。言葉にしづらい部分を察して、臨機応変に対応するようにしています。
また、そうして得た情報を仕事に取り組むグループ全体で共有するための報・連・相も大切にしています。

仕事をしていて一番うれしい時は?
やっぱり、ありがとうと言ってもらえる時です。単純なことかもしれませんが、聞くと頑張ろうと思えます。
利用者さんだけでなく、面会の家族の方にも顔を覚えていただいて、感謝してもらえるときはうれしいです。 家族の方と話すことで、利用者さんの今まで生きてきた中で大切にしてきたことや、好きなことを知ることもできます。それを覚えていて、そんな場面がきたら、そっとお話しすると何とも言えない表情をすることがあります。そんな時は、うれしさを感じます。
自分の仕事に専門性を感じることは?
いろんな利用者さんとコミュニケーションを取ることが必要ですが、特に認知症の方のケアは専門性が求められると思います。
認知症の中でもいろんな症名があって症状も違いますし、もちろん感情もひとりひとり違います。教科書だけではわからない部分です。
毎日状態が変化していく方にどう対応していくかは、ある程度の知識を求められるところだと思います。気を回すことも必要ですが、正解はないと思います。「昨日はこうだったから・・・今日も」、と同じことをしてもうまくいくとは限りません。
だからこそ、やりがいを感じる部分でもあるのですが、そんな時はやはり会話することでその人の気持ちを感じていきます。言葉にうまくできないことも、その人の表情やこれまでの対応してきた蓄積の中から察していきます。

勤務形態やお休みの過ごし方は?
夜勤があるシフト制です。休みの日は、同じように平日が休みの友だちと買い物をしたり遊びにでかけたりしています。
好きな音楽をきいたり読書の時もあります。栃木県の日光にライブに出かけたこともありました。
休みが平日になることで、週末には混んでいる行き先がすいているのは気にいっています。
職場で面白かったことや失敗談はありますか?
失敗は数えきれないほどあります(笑)。
面白かったことでは、笑ってしまっては利用者さんに失礼かもしれませんが、昨日「はじめまして」とごあいさつしたおばあちゃんが、今日も「はじめまして」、次の日も…と毎日「はじめまして」を繰り返してあいさつしてくれていたことがあります。
「どこから来たの?」と聞かれることもあります。思い出すと思わずクスリと笑ってしまいます。面白いというか、この良い意味でクスっとする感覚を大切にしています。

将来の夢は?
夢というほどではないですが、何か楽器を弾けるようになりたいです。うまくなれたら、利用者さんに聞いてもらえるようになれるかもしれません。
この仕事を長く続けられたらいいな、と思っています。勤続4年目で人に教える立場にもなってきたことですし、自分も勉強して、気を引き締めていきたいと思います。
施設の人から

鵠生園 副施設長 多川友広さん(左)と
事務長 上原光貴さん(右)
会話はもちろんですが、話さなくても何が望みか察するのが介護職のもつ力だと思います。丸山さんは真面目に一人ひとり丁寧に声掛けしています。
本当に真面目で、実習生の時も毎日これを書くのは大変だろうと思うほど細かい実習記録をつけていて、よく見ているのがわかりました。
コミュニケーションが取りづらい人でも丁寧に話しかけるし、返事が返ってこなくても様子を見て察するようにしてくれています。
認知症の方への対応を検討する内部の会議にも参加してもらうなど、頑張ってもらっています。
専門学校の新卒採用スタッフのモデルとして、いろんな業務を経験して、さらに次の世代に伝えていくようになってくれればと願っています。


特別養護老人ホーム 鵠生園のご紹介
社会福祉法人 上村鵠生会 鵠生園
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸1-7-9
電話:0466-28-2662
ファックス:0466-26-6950
設立:昭和49年
定員:100名(入居90名<男性12名・女性78名>、短期入所10名)
特別養護老人ホームとしては藤沢市の中で一番最初に設立された歴史ある施設です。
精神科の上村医師が設立し、重度の認知症高齢者を当初から積極的に受け入れ、ケアを行ってきました。
屋上から眺める海の景色は格別。江ノ島を目の前に、遠くに富士を仰ぎます。