介護福祉の仕事紹介-現場からの発信
訪問介護サービスの内容
訪問介護サービスは、介護の資格を持ったホームヘルパーがご自宅に伺い、毎日の生活をサポートするサービスです。掃除やお食事の用意といった日常的な家事から、お風呂や着替えのお手伝いまで、幅広く利用者の暮らしを支えることができます。
アースサポート株式会社の場合、訪問介護を利用している方は要支援~要介護2の軽度者が約7割を占め、生活援助の利用が多いです。また、80代以上がおよそ7割、一人暮らしがおよそ5割となっています。
生活援助
生活に必要な家事全般をお手伝いするサービスです
掃除:トイレ掃除、掃除機掛け、拭き掃除、ゴミ出しなど洗濯:衣類のお洗濯、物干し、取りこみ、たたみ
ベッドメイク:シーツや布団カバーの交換
衣類の整理・被服の補修:衣替え、ボタン付け
調理:料理、配膳、後片付け
買い物:日常品の買い物
身体介護
お身体に直接触れて行う介助サービスです
排泄介助:トイレ誘導、オムツ交換食事介助:お食事の見守りやサポート
入浴介助:洗髪・洗身介助、シャワー浴、部分浴、清拭
身体整容:洗面や髭剃り
更衣介助:衣服の着脱
体位変換:ベッド上での姿勢を変更
移乗・移動介助:車いすへの移動、歩行の付き添い
どのような職種の人が働いているか
(1)サービス提供責任者
資格要件:介護職員実務者研修、ホームヘルパー1級、介護職員基礎研修、介護福祉士
(2)ホームヘルパー
資格要件:介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、ホームヘルパー2級、ホームヘルパー1級、介護職員基礎研修、介護福祉士
訪問介護サービスは、介護職員初任者研修・ヘルパー2級以上の資格を取得した方ができる仕事です。入浴や食事などの介助を通じて、利用者の日常生活や生きがいを支えています。
さらに、経験や知識を積み重ね専門性を高めたい方、キャリアアップを目指したい方、多職種連携に携わりたい方、ケアの質を高めていきたい方は、サービス提供責任者を目指すことができます。サービス提供責任者は、利用者・ホームヘルパー・ケアマネジャーとのパイプ役です。
利用者一人ひとりの暮らしにあった訪問介護計画をご提案し、質の高いヘルパーを派遣することにより、住み慣れたご自宅での安心した暮らしを支えることができることは、訪問介護サービスの大きなやりがいです。
1日の主な仕事の流れ
(1)サービス提供責任者(社員の場合)
- 8:30
- 出勤
- 事務所の掃除、準備
- 利用者に関する情報共有、1日の工程確認、申し送り事項の確認
- 担当ヘルパーへの連絡
- 9:00
- 利用者宅を訪問(2~3件)
- 排泄介助、デイサービス準備・送り出し、掃除
- 12:30
- 拠点へ戻り昼食・休憩
- 13:30
- 内勤
- ケア記録の確認、利用者情報の更新、他事業所との連絡調整
- 16:00
- 担当者会議参加
- 16:45
- 内勤
- 他事業所、他職種との情報共有・利用者の意向確認
- 1日の振り返り、実績入力、書類確認、片付け、翌日準備等
- 17:30
- 退勤
(2)ホームヘルパー(パートの場合)
- 7:50
- 子どもを学校に送り出す。朝食の後片付けとゴミ出し(自宅での家事)
- 9:15
- 利用者宅への訪問(1~2件)
- 買い物代行、掃除、昼食の準備
- 11:45
- 自宅に戻り洗濯、掃除、子どもの習い事(サッカー)の準備、昼食(自宅での家事)
- 13:50
- 利用者宅への訪問(1~2件)
- 入浴介助、浴室の片付け、掃除
- 16:00
- 仕事終わりに買い物、夕食の準備(自宅での家事)
訪問介護サービスの魅力
訪問介護サービスの魅力として、「生活の中で困っている事の解消」「介護の負担軽減」「ヘルパーの訪問が楽しみの一つになっている」等が、挙げられています。以下、利用者から寄せられた喜びのコメントをご紹介します(アースサポート株式会社2021年7月 顧客満足度調査抜粋)。
※下の見出しをクリックすると、コメントを見ることができます。
- 生活の中で困っている事の解消、ヘルパーの訪問が楽しみ
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- 今年の年明けから転倒して歩くことができなくなったため、大変つらい生活が始まりました。転倒直後は痛みから顔をゆがめている毎日。そんな大変な時期にヘルパーさんに助けて頂き、心から感謝しています。
- ヘルパーさんは、小さな変化や改善を共に喜んでくれます。自分のことのように喜ぶ姿が、生きる励みになります。
- 手術後に介護をお願いして本当に助かっています。今でも少し無理をすると腰痛になり、横になってしまいます。重い荷物をずっと持てないので、買い物も大変ですが、頑張って生活しています。週1回の掃除をお願いして本当に気持ち良くやってくれるのでありがたいです。良くなるまで、お願いします。
- 単身高齢のため、簡単なコミュニケーション、情報提供に安らぎます。
- 日中はほとんど一人で過ごしているので、外部の方々との接触が持てる機会となっており、ありがたいです。週2回のお料理は、我が家の夕食に欠かせません。
- 家族の介護負担軽減
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- いつも助かっています。服薬や配食について、本人の日々の変化に気づかないこともあり、連絡ノートの記載内容を見て、気づくことも多々あります。
- 親身に相談にのってくれたり、アドバイスしてくれたりして助かっています。ただ、仕事をするだけではなく、介助のやり方を教えてくれるので、ヘルパーさんに頼んで良かった。これからも来てください。どのヘルパーさんも良い人です。
- 母の介護で心身疲労が重なる私の心の支えでもあります。サポートがなかったら、今のような在宅介護は、実現できなかったと思います。
- 家族はヘルパーさんの訪問を楽しみにしています。家中が明るくなり話題も弾みます。ありがたいのは、常に利用者の立場を優先してくれることです。許されるならば、毎日でもお願いしたいと、家族中で話し合っています。
- いつも温かい支援をいただき、大変感謝しています。利用している母だけではなく、父にも配慮や優しい声をかけてくださり、父母ともにまた娘の私にとっても大変心強いです。
感動エピソードのご紹介
入浴を拒否し続けていた利用者が、お風呂に入ってくれた!
以前、「お風呂が嫌い」で、最後に入浴したのがいつかも分からない男性に対する、入浴介助の依頼を受けました。ケアマネジャーが、デイサービスでの入浴をお勧めしても「友人が多く、遊びに来てくれるから行きたくない」と拒否されていましたが、身だしなみは気にされており、髪の毛だけは行きつけの床屋で綺麗にしてもらっている方でした。実はこの方(以下、Aさん)、認知症を患っていました。
入浴介助の導入に向け、Aさんとの関係づくりから取り組むことにしました。まずは、ヘルパーに慣れていただくことから始めようと考え、服薬確認をサービス内容に組み込みました。次に、温かいタオルで顔、手を拭かせていただくサービスを追加。ヘルパーが何度か訪問し、ご本人とお話をしている中で、人と会話をすることが好きな方であることが分かりました。
Aさんもだんだんとヘルパーの訪問を楽しみにしてくれるようになったので、入浴介助に向けて、次のステップへ進むことを決めました。まずは、抵抗が少ない、手浴、足浴、爪切りをご提案し、ご了承いただくことができました。いきなり「お風呂に入る」ことを勧めずに、ご本人の不安を一つずつ解消することが目的でした。
ある日、Aさんがご友人と集まるという話しを聞いたので、「お友達に会うなら、お風呂に入ってさっぱりするのはどうですか」と、初めて入浴介助のご提案をしました。すると、「1回だけなら…」と、ヘルパーの提案を受け容れてくださり、入浴介助サービスを追加。サービス当日は、湯船に浸かるとなかなか出ようとされず、とても上機嫌なご様子でした。
はじめは、ヘルパーの介助による週1回の入浴でしたが、半年後には、週3回へ。今では、湯船の中で鼻歌を歌いながら、ご自分で髭剃りをされています。当初、「嫌い」だったはずのお風呂が、ご本人にとって「気持ちいい」時間へと変わったことが、とても嬉しかったです。
訪問介護サービスは、利用者の気持ちに寄り添い、利用者のペースを大切にしながら関わることができる仕事です。何よりも利用者の笑顔が増えていくことを目の当たりにすることができた時、やってきて良かったと思える仕事です。
職員からのメッセージ
お客様から直接評価いただくことが、訪問介護の醍醐味!
訪問介護サービスは、住み慣れたご自宅で、最期まで自分らしく生きがいをもって暮らし続けられるよう支えることができる仕事です。私たちはそれを大切にしながら、利用者に寄り添ったケアを目指しています。そのためには、利用者のことを知らなければ良いケアにつながらないので、情報共有を一番大切にしています。
期待に応えられるサービスを提供し、ご満足や喜んでいただくことにやりがいを感じます。特に、利用者と1対1のサービス提供となる訪問介護サービスでは、働く私たちの自分らしさを発揮することができます。つまり、自分自身が商品なのです。現場では、工夫したことや利用者のために考えたことに対して、利用者やご家族から直接感謝の言葉を頂くことも多く、それが働くモチベーションにもつながっています!